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2018-06-12

意外かもしれませんが蝋は皮革製品の製作によく登場します。
靴、バッグのどうちらでも使用します。


コバに塗り込むことが多い蝋なのですが、大抵は熱ゴテで革に染み込ませてコバを強靭にする目的で使用することが多いと思います。
他にはコバに染料を使った場合の色止めなどです。
靴ではメンチュローという固めの蝋を使います。
積み上げヒールや革底に蝋を染み込ませて、コバの強化、防水、艶出しの目的で使用します。
バッグでは柔らかめの蜜蝋を使うことが多いでしょう。
蜜蝋は柔らかいので、バッグのように曲がる箇所が多い物にはメンチュローよりも蜜蝋の方が適していると思います。
蝋は他の目的にも使用します。
手縫い靴の場合、麻糸にチャンと呼ばれる松脂と油を混合したものを刷り込むのですが、このままだとベタベタしていて縫いづらいので滑りを良くするために蝋を使います。
この時に使う蝋はメンチュローでも構わないのですが、白蝋の方が滑りがよいように思います。
バッグの手縫いでもチャンのようなものを使用しますが、こちらは松脂と油を蝋を混ぜたものを糸に刷り込むので、改めて蝋を使用する必要はないかと思います。
すっかり日常生活では使うことがなくなった蝋ですが、皮革製品を製作する現場では今でも現役バリバリなものなのです。

 

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