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2018-07-29
革を漉く

革を漉くと言われても何のことだか分かりにくいと思います。
革漉きとは品物を組み立てる時に素材である革の厚みを調整することです。


例えば折込という端の始末の方法があるのですが、この場合は大体1cmの幅で革を傾斜させて漉きます。
漉いた部分は後で半分に折るのですが、革を漉いてあれば折った時に元の厚みに仕上がります。
ですが革を漉かずに折ると端の厚みが倍になってしまいます。
このように品物を美しく組み立てる上で革を漉くということは大変大切な下拵えの1つなのです。
ヒール物の靴には革が巻いてありますが、これは革の厚みを0コンマ単位で調整して革を巻いてあります。
このヒール巻きも一朝一夕にはできなかったりします。
ヒールとヒールの巻き革に接着剤を塗るのですが、革が薄いので薄く均一に接着剤を塗らないと、接着剤のだまが残って凸凹としたヒールになってしまいます。
少し話が逸れましたが、革を漉くとは品物の出来上がりに大きく影響を与える工程なのです。
革漉き機と呼ばれる専用の機械で漉くのが一般的なのですが、十数年使っても面白い機械だったりします。
革漉きは私の好きな工程の中の1つだったりします。

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