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2018-05-16
縫製

表革と裏革を貼り合わせて縫製したものです。
最後の仕上げでかけるミシンのことを上げミシンといいます。
シンプルなプレーンパンプスはステッチが強調されてしまうので少しでもステッチが曲がると目立ってしまいます。

また縫製がカーブの部分が多く、縫い直しができない(革は1度ミシンをかけてしまうと穴が開いてしまうので縫い直しはできません。失敗した場合は1からのやり直しになります。)1発勝負なので経験が必要となってくる部分です。
私も学生の頃、毎日のようにミシンの練習をしました。
当時は今ほどサーボモーター(スピード調節できるミシンのモーター)が普及していませんでしたので、クラッチモーター(スピード調節ができず、ほんの少し踏んだだけで全速力で縫製してしまうモーター)で慣れるしかありませんでした。
クラッチモーターでの縫製に慣れるまで3年はかかったと思います。
ですがお陰で苦手だったミシンが克服でき、ミシンが大好きになったのでよかったと思っています。

アッパーを裏側から撮影したものです。
裏革が表革よりも小さくなっているのが分かると思います。
このようにしておくと次の釣り込みの工程の時に作業がしやすいので、少しだけ小さくします。
縫製が終わると靴づくりの40パーセントが終わったように感じます。
次回ご説明する釣り込みの工程が他の皮革細工では行わない靴独特の工程になります。

 

 

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