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2018-05-11
パターン製作その3


完成した表革のパターンの画像です。
靴は表革と裏革の2重構造になっています。
洋服に表地と裏地があるのと同じなのでそれを想像するとわかりやすいです。

今回はオーソドックスなパンプスなので革の端(コバ)を折り返す、折込と呼ばれる始末で製作します。
まずは元型を基準にして完成形の型紙(決め型)を製作します。
元型をただ単純に写すのではなく型紙を操作をするのですが、説明が長くなってしまうのでここは割愛します。
完成した決め型のトップラインに先ほどの折り込み代5mmを足して裁ち型とします。
この裁ち型を使って革に型入れをして裁断をしていきます。
ちなみに踏まず部分でパターンが分割されていますが、これはヒールが高い場合にパターンが重なり合ってしまうのでそれを避ける為に分割します。
この分割の位置も適当に決めている訳ではなく、力がかかっても裂けないようにカウンターと呼ばれる強い芯材が入る部分に設定します。

こちらが裏型の画像。
裏型は表革の内側にくるので外径内径差で同寸法だと必ず皺が寄るので少し小さくします。
革の厚みにもよりますが、2~3mm程度といったところでしょうか。
画像右側の少し変わった形のパターンは床すべり型と呼ばれるパターンです。
踵を少しでも脱げにくくする為にこの部分だけは、摩擦に強い豚革の床面(起毛してある裏側)を使用します。
ヒールが低い紐靴の場合は元から脱げにくい構造なので床すべりを省略します。(見た目もその方が美しいので。)
また裏型は決め型のトップラインから、さらい代と呼ばれる余裕分を5mm足し、釣り込み代を10mm小さくします。
これらの操作は後の作業をより円滑に進める為のものです。
これでパターンの製作は終わり、次回は実際の製作に入っていきます。
文章にすると長いですが作業にすると1~2時間程度で終わります。

 

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